最高裁判所第一小法廷 昭和41年(オ)1166号 判決 1967年10月12日
上告人
宮部完三
右訴訟代理人
南谷信子
被上告人
井上忠正
被上告人
栄馬了順
被上告人
岐阜プリンス自動車販売株式会社
右代表者
古沢新吾
主文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理由
上告代理人南谷信子の上告理由第一について。
所論の点に関する原審の認定、判断は、挙示の証拠関係に照らして肯認するに足り、その過程に所論の違法は認められない。論旨は、原審の認定しない事実を主張して、原審の適法にした証拠の取捨判断、事実の認定を非難するに帰し、採用することができない。
同第二について。
原審は、所論予備的請求が主位的請求の基礎を異にすることのみならず、もし訴の変更を許すならばこれにより著しく訴訟手続を遅滞せしめることを理由として、右予備的請求を却下しているのであり、右の原審の認定判断は正当として是認することができる。所論引用の判例は事案を異にし本件に適切でない。原判決に所論の違法はなく、論旨は採ることができない。
よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で。主文のとおり判決する。(大隅健一郎 入江俊郎 長部謹吾 松田二郎 岩田誠)
上告代理人南谷信子の上告理由
<前略>
第二 予備的請求に対する判断に対しては、本件の場合も請求の基礎に変更あつても、訴の変更は許容されるべきであり、著しく訴訟手続を遅延滞せしめることはない。
これを許容しないのは最高裁判所昭和三九年七月一〇日の判例に違反するものである。